
最近の物価高、本当に厳しいですよね…。
仕入れコストも光熱費も上がって、いよいよ美容室の料金を値上げしないと経営が…
でも、ただ『物価が上がったので』と言って、お客様は納得してくれるだろうか?離れていってしまわないだろうか?
今、多くの美容室経営者の皆さんが、こんな風に頭を悩ませていらっしゃるのではないでしょうか。
なぜなら、それには大きなリスクが伴う可能性があるからです。
今回は、物価高だけを理由にした値上げがなぜ危険なのか、そして、もし値上げをするなら、お客様にも喜ばれ、サロンの価値も高まるような方法はないのか、私の経験も踏まえて詳しくお話ししていきます。


なぜ「物価高だから値上げ」だけではダメなのか?


その理由は大きく分けて2つあります。
「じゃあ、物価が下がったら値下げするの?」という矛盾


「物価が上がったから値上げします」というロジックは、一見シンプルで分かりやすいように思えます。
しかし、考えてみてください



もし将来的に、原材料費や光熱費が落ち着いたら、その時は「物価が下がったので値下げします」と告知するのでしょうか?
多くの場合、一度上げた価格を下げるという経営判断は非常に難しいものです。
値下げのタイミング、下げ幅、そしてそれをどうお客様に伝えるか…考えるべきことは山積みです。
もし値下げをしなければ、「物価が理由だったはずなのに、おかしいな?」とお客様は不信感を抱くかもしれません。
価格設定は、もっとサロン自身の「価値」に根差したものであるべきではないでしょうか。
お客様は「サービスの対価」にお金を払っている


考えてみれば当然ですが、お客様は「物価が上がったから、その分を負担しよう」と思って美容室に来ているわけではありません。
お客様が求めているのは、素敵なヘアスタイルになることはもちろん、美容師さんとの楽しい会話、リラックスできる空間、髪や頭皮の悩みが解消されること、自分へのご褒美としての特別な時間…など、そこで得られる「体験」や「価値」です。
それなのに、提供されるサービス内容が変わらないまま「物価が上がったので料金も上げます」と伝えられたらどうでしょう?
これでは満足度が下がり、「もっと安いお店を探そうかな」「行く回数を減らそうかな」と考えるきっかけを与えてしまいかねません。
値上げを成功させる鍵は、お客様が納得する「付加価値」


では、値上げは絶対にすべきではないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
経営を維持し、さらなるサービス向上のためには、適切な価格設定が必要です。
大切なのは、お客様が「この価格でも、このサービスを受けたい!」と納得できるだけの「付加価値」を提供することです。
その「付加価値」とは、例えば次のようなものです。
新しい技術やメニューの導入


よりダメージレスな施術、髪質改善効果の高いトリートメント、最新のトレンドを取り入れたスタイル提案など。
使用する薬剤や商品の質の向上


オーガニック認証のカラー剤、高品質なシャンプー・トリートメントへの変更など。
空間や設備の充実


よりリラックスできるシャンプー台の導入、個室の設置、こだわりのドリンクサービス、心地よい音楽や香りなど。
接客・カウンセリングの深化


お客様一人ひとりの髪の悩みに、より深く寄り添う丁寧なカウンセリング、 マンツーマン施術、アフターフォローの充実など。
つまり、値上げ分に見合う、あるいはそれ以上の「何か新しい価値」「より良くなった点」をお客様に明確に提示し、体験してもらうことが重要なのです。
私のサロンの実践例:「ウルトラファインバブル水」という付加価値





付加価値と言われても、具体的に何をすれば…?
と思われるかもしれません。
ここで、私のサロンでの実例をご紹介させてください。
私のサロンでも、様々なコスト上昇を受け、価格改定を検討しました。
しかし、ただ値上げするのではなく、お客様にもっと喜んでいただけることはないかと考え抜いた結果、「ウルトラファインバブル水(UFB)」を導入することにしたのです。
これは、肉眼では見えないナノサイズの超微細な泡(ウルトラファインバブル)を大量に含んだ水のことです。
このUFB水には、以下のような素晴らしい効果が期待できます。
- 高い洗浄力
通常の水では入り込めない毛穴の奥や髪のキューティクルの隙間まで泡が入り込み、皮脂汚れや残留シャンプーなどを優しく、しかし確実に吸着して除去します。 - 薬剤の効果を高める
髪表面の汚れがクリアになることで、カラー剤やパーマ液、トリートメントなどの浸透が良くなり、効果を最大限に引き出します。 - 保湿効果
細かい泡が髪や頭皮に水分を届け、しっとりとした潤いを与えます。ドライヤー後の手触りの違いを実感されるお客様も多いです。
導入したウルトラファインバブル水「UFBデュアル」については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご興味があればぜひご覧ください


このUFB導入により、お客様には「今まで以上に髪がきれいになる」「頭皮がすっきりして気持ちいい」「薬剤のダメージが軽減される気がする」といった、明確な「プラスの価値」を提供できるようになりました。



いつもと同じ施術内容なので、スタッフの負担もありません。
その上で、「より良いサービスを提供するために最新設備を導入いたしました。
つきましては…」という形で価格改定のご案内をしたところ、多くのお客様から「髪がすごくサラサラになった!」「確かに違うね!」といった嬉しいお声とともに、価格改定にもご理解とご納得をいただくことができました。
まとめ:価値を高め、お客様との信頼を深める値上げを


物価高騰という厳しい現実は、多くの美容室にとって大きな課題です。
しかし、その対応として安易に「物価高だから」という理由だけで値上げに踏み切ることは、お客様の信頼を損ない、長期的な経営にとってマイナスになりかねません。
値上げを検討するならば、それはサロンとしての「価値」を高める絶好のチャンスと捉えるべきです。
- お客様は何を求めているだろうか?
- 自サロンならではの強みや、提供できる新しい価値はないだろうか?
- 価格に見合う、あるいはそれ以上の満足を提供できているだろうか?
これらの問いに向き合い、具体的な「付加価値」を生み出す努力をすること。
そして、その価値をしっかりとお客様に伝え、体験していただくこと。
それが、
お客様との信頼関係をより一層深め、厳しい時代でも選ばれ続けるサロンになるための、最も確実な道だと私は信じています。
今回の記事が、今後のサロン運営を考える上でのヒントとなれば、これほど嬉しいことはありません。

